バジェットレンタカー、ひとり勤務2日目。日曜日。
1日目の会計ちょろまかし騒ぎ以上の出来事が起こった。

バジェットレンタカーにて車・バイクを借りるには、クック諸島運転免許証が必要である。といっても、保険の問題のみで、レンタル契約時に免許証を所持している必要はない。実際、レンタルした車やバイクでクック諸島運転免許を取りに行く人も多い。

クック諸島運転免許不携帯でレンタカー・バイク運転時に事故に遭うと、保険が全く適用されないので、修理代を実費で払っていただくことになる。当てられた場合はどうかというと、ローカルはほとんど自動車保険に入っていないので、支払い能力が無い。しかも明らかに相手が悪い状況でも、免許不携帯で運転していた旅行者の方が、絶対に不利である。

今日は暇だな~、と思っていたら、1組のアジア人カップルが来店した。アメリカ在住の中国人だという。まだ若く、ハネムーンといったところか。
男「スクーター借りたいんだけど。」
私は、前述のことを、説明した。日曜日はクック諸島運転免許が取れないことも。
私「スクーターの運転経験はありますか?」
女「私、あるわ!」
通常通りにレンタル契約書を完成させ、バイクのキーを渡した。
私「ありがとうございました!良い休日を!」

3分後、リゾートのセキュリティに呼ばれた。
セキュリティ「この娘、バイクの乗り方知らないみたいだけど。」
女「スタートの仕方がわからないだけよ!」
私「本当にバイク運転したことあるのですか?」
男「ダーリン、本当に運転できるのか?」
女「できるわよ!私は経験があるんだから!」
半信半疑ながらも、スタートの仕方を見せたら、彼女はすぐさまスタートし、そのまま突進、私の「ストーップ!」という叫びもむなしく、花壇に激突!

私「大丈夫ですか?」 男「ダーリン、大丈夫?」
女「大丈夫よ。ブレーキの仕方を聞くのを忘れていたわ。」
私「とにかく、怪我がなくて良かったです。バイクの破損部分の清算をしますので、オフィスにお戻りください。」
男「やっぱりおまえには運転は無理だったんだ!本当はしたことないんだろ?」
女「経験あるって言ってるでしょ?私が信じられないの?」
男「!”#$%&’()(’&%$#”!!!」
女「’&%$(((’&%$#$$%!!!」(中国語で理解不能)

おいおい、ケンカ始めちゃったよ。。。ハネムーン初日だというのに!

しかもこの娘、「別のスクーター貸してちょうだい。」懲りてない!
私もご主人も、あっけにとられた。リゾートのフロント前で、私は運転できませーん、と宣言したようなものなのに!
男「&%$##&%!!!」(おそらく、危ないから止めろと言っている。)
私「私もご主人に賛成です。今回はバイクの破損だけですみましたが、奥様に何かあっては取り返しがつきませんから。」

彼女は膨れていたが、最後には納得し、ご主人は修理代に快くサインした。(ちなみに$160)
私「まあ、今日はリゾートでゆっくりしたらどうですか。初日ですし。」
男「いや、代わりに車を借りるよ。車の運転なら僕でもできる。」

な~んか、嫌な予感がしたんだな、その時。なぜか。
私「アメリカとは道路もハンドルも全く反対ですが。。。大丈夫ですか?」

ご主人は、一瞬凍りついた。きっと、彼にも嫌な予感が走ったに違いない。
男「やっぱりいいよ。もう、今日はこれで懲り懲り。ありがとう!」

ふたりは仲良く出て行った。

なんか、めっちゃ疲れました。
リゾート内で事故る旅行者は多いらしいです。運転は簡単そうに見えますが、オートマのスクーターとはいえ、経験がない人には危険です。ギアチェンジしないといけないタイプの方が、急にスピードでなくて安全だと思うのだけど、旅行者にはオートマが人気です。

安全運転お願いします。