クック諸島滞在記

クック諸島ラロトンガ在住17年の管理人の滞在記。 https://www.facebook.com/Kana-Travel-Cook-Islands-Limited-279682182046959/

2006年08月

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クック諸島には、ツパ(Tupa)と呼ばれるカニがいる。

ツパは、海に近い陸地の土の中に穴を掘って住んでいる。夜になると海辺に産卵しに行く。
数年前までは、ラロトンガにもたくさんいたが、今や道路が舗装され、海辺に多くのリゾートが建ち、最近はすっかり見なくなった。
アイツタキでは、まだまだツパは健在で、満月の夜は、道路がツパであふれかえる。
運転していると、ツパも車に対して威嚇するかのごとくハサミを振り上げるのだが、その数や数百匹、避けられるわけもなく、バリバリバリっとツパを轢いてしまうことになる。(ごめん。)
ツパは、クック諸島アイツタキを代表する珍味である。
身も食べるが、特に、カニ味噌が絶品である。
といっても、夜中に懐中電灯片手にツパを捕獲しても、食べられませんよ。(注意)
土の中に住んでいるせいか、捕獲してすぐに食べても泥臭いだけでおいしくない。
では、絶品カニ味噌を食するにはどうしたらいいか。

飼うのです!

捕まえたら、飼って、太らせ、泥出しする。
餌は、ココナッツ、マンゴー、パパイヤ、スターフルーツ。
2週間後には、それはもう、クリーミイなカニ味噌ができあがる。

カニ味噌食べに、アイツタキ行こか~。

2005/2/3(木)
サイクロン接近中! THE DIVE CENTREは、緊急避難手順を作成した。できれば使うことなくシーズンが終わって欲しいのだが、サテライトの天気図では、24時間後にクック諸島南方諸島に直撃・・・。とはいえ、現在、風も無くいたって平和。まさに、「嵐の前の静けさ」なのか・・・。

2005/2/7(月)
土曜日、いよいよサイクロンMEENAがラロトンガに今夜急接近、ということで、暴風雨津波対策に、街中てんやわんやでした。子どもの頃、台風が来る、というと、大人はせっせと働き始めて、日常とは違うイベントに、妙にウキウキしませんでしたか?私はこの非常事態を、ワクワクしながらすっかり楽しみました。

海に近い商店や家屋は、窓に板を打ちつけ、商品は他の場所に避難、又は少しでも高い位置に移動。屋根が飛ばないように、ロープを張っている家もありました。

港のボートはクレーンで陸に上げ、頑丈そうな木々にロープでくくりつけて固定。小型のボートは、各持ち主が内陸部に移動させたようです。陸に上げられない大型貨物船は、座礁を避けて、遥か沖へ移動。港から、全てのボートが姿を消しました。

飛行機。ニュージーランド航空は、土曜日午後4時オークランド行きB767-300を最後に、欠航。国内線のエアーラロトンガの全ての飛行機は、この日の内に、ニウエへ非難してしまいました。よって、空港から、全ての飛行機が姿を消しました。空港の駐車場には、大型貨物船用のコンテイナーを3重3段に積み上げて緊急防波堤が設置されました。

我家のサイクロン対策。我家は内陸で、しかも山の斜面にあるので、水害の心配はしませんでした。スマトラ島沖地震サイズの津波が来たら、ここでアウトでしょうが。別の意味で水害の心配はありました。我家の水道水は、庭の貯水タンクから電動式ポンプで汲み上げられているのです。よって、停電すると、水道が使えません。停電は割りと頻繁に起こるので、飲料水の確保と、トイレ用にバケツの用意をしました。そして、大量の食料とロウソク、DVD。←特にこれが重要。この日、テレビ放送はありませんでした。

土曜日の夜から日曜日の午前中まで、激しい暴風雨が続きましたが、我家は理想的な立地だったようで、夜もぐっすり眠ることができました。我家の周りに生い茂っている木々が、風除けになったようです。木々は暴風にさらされて、すごい揺れているのに、ベランダに吊るしてあるハンモックが少しそよぐだけで、窓や壁に風が当る気配すら感じませんでした。さすがに、外の風の音は聞こえましたが。唯一我家でサイクロンにビビッていたのが愛猫BB。BBは不安なのか、ずっと家中うろうろしていました。

日曜日の午後になって風が止み、道路の掃除が大体済んで車で通行できるとラジオ放送があったので、被害地区を見に行きました。
メインロードに出ると、道路が砂だらけで、道路わきにはがれきとサンゴのかけらが積み上げられていました。波はここまで来たようです。被害地域へ向かって車を走らせると、滑走路横の道路の壁は無事でした。この壁は、1年前にニウエを大被害をもたらしたサイクロンHETA(関連情報はこちら)の際、損壊しました。滑走路側のフェンスは所々飛ばされて、無くなっていました。

さらに車を走らせると、道路わきの瓦礫の山が次第に大きくなっていきます。ビーチの所々に立てられた、トタンの小屋は案の定、ほとんど全壊していました。空港は無事だったようです。緊急防波堤のおかげでしょうか。
去年新しく出来たAVATIU港は、一部損壊していました。船着場に下りる道路が瓦礫に埋もれて、車で船着場に辿り着くことができません。防波堤は壊れて一部が水面に残っているのみで、桟橋は流されて無くなっているし、ここからダイビングボートを出すのは、しばらく無理そうです。ちなみに、この港にある、ラロトンガで一番おいしいフィッシュンチップス屋は、半壊していました。
幸い、ダウンタウンの被害はほとんど見られませんでした。

最大の被害地区は、AVARUA港です。港そのものの被害はありませんが、周辺の地面が、地割れ・陥没していて、港へのアクセスがほぼ不可能です。そして、人気のシーフードレストラン‘TRADER JACKS’は、見るも無残に全壊。ローカルにも観光客にも大人気の‘TRADER JACKS’は、約10年前にもサイクロンの際、全壊したそうです。サイクロンには最悪の立地ですが、普段は集客に最高の立地で、1日も早く再建することを願います。新道路開発計画で政府から立ち退きを命じられていた‘TRADER JACKS’隣の建物もほぼ全壊で、こうなってしまっては、立ち退き話し合いは、スムーズに進むかもしれません。

我家のサイクロン被害。マンゴーとアボカドの実が、ほとんど地面に落ちてしまいました。未熟でまだ小さい実ばかりだが、売るわけでもないし、落ちた実は全部拾ってバナナと一緒に保管しています。そのうち熟して食べられるようになるでしょう。自分で収穫するのは不可能な位巨大な木なので、被害というよりも、簡単に拾えて、逆によかったです。

写真はこちら
http://gonnago.hp.infoseek.co.jp/cyclon%20photo.html

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アイツタキで、200kgのブルーマーリンが釣れました。この日、彼らは合計300kg以上も釣ったそうで、満足の様子。そんなにたくさん釣れるなら、釣りもさぞ楽しいことでしょう。この週のアイツタキの「本日の魚料理」は、きっと、ブルーマーリン。生でも調理しても、おいしい魚です。

2005/2/13(日)
サイクロンMEENAのラロトンガ急接近については、前評判の割には被害があまり出なかったので、非常に安心しています。
全壊した人気のシーフードレストラン‘TRADER JACKS’は、3日後にバー営業開始。レストランはまだですが、軽食(サシミ・スシセット、イカマタ、スモークフィッシュサラダ)が、お手ごろ価格で販売されています。屋根を修理、貨物船コンテイナーを改造したカウンターバーを設置した、新‘TRADER JACKS’、その名も‘JACK IN A BOX’、サンドカーペットに、天井が高くなって、結構いい感じ。こっちの方がいい、という客もいます。ちなみに、私もそのひとりです。この方が、南の島のバー、という雰囲気が味わえます。ここのオーナーJACKは、魚工場も持っていて、そこから仕入れる新鮮なシーフードはまだ健在です。それにしても、商魂たくましい・・・。写真はこちら
関連情報 http://www.paradisecook.com/2005/hurricane.html

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